自分がもし失脚して、彼と同様の地位に置かれたら、果してどの位の仕事に堪えるだろうと思うと、代助は自分に対して気の毒になった。
そうして、自分が遠からず、彼よりも甚く失脚するのは、殆んど未発の事実の如く確だと諦めていたから、彼は侮蔑の眼を以て寺尾を迎える訳には行かなかった。
寺尾は、この間の翻訳を漸くの事で月末までに片付けたら、本屋の方で、都合が悪いから秋まで出版を見合わせると云い出したので、すぐ労力を金に換算する事が出来ずに、困った結果遣って来たのであった。
自分がもし失脚して、彼と同様の地位に置かれたら、果してどの位の仕事に堪えるだろうと思うと、代助は自分に対して気の毒になった。
そうして、自分が遠からず、彼よりも甚く失脚するのは、殆んど未発の事実の如く確だと諦めていたから、彼は侮蔑の眼を以て寺尾を迎える訳には行かなかった。
寺尾は、この間の翻訳を漸くの事で月末までに片付けたら、本屋の方で、都合が悪いから秋まで出版を見合わせると云い出したので、すぐ労力を金に換算する事が出来ずに、困った結果遣って来たのであった。