こう云って、私は子供の方を向いてなつかしそうに挨拶をしたが、信一は例の品のある顔をにこりともさせず、唯鷹揚にうなずいたゞけであった。
今日からあの立派な子供と仲好しになるのかと思うと、何となく嬉しい気持がして、日頃遊び仲間の髢屋の幸吉や船頭の鉄公などに見付からぬように急いで家へ帰り、盲縞の学校着を対の黄八丈の不断着に着更えるや否や、
「お母さん、遊びに行って来るよ」
こう云って、私は子供の方を向いてなつかしそうに挨拶をしたが、信一は例の品のある顔をにこりともさせず、唯鷹揚にうなずいたゞけであった。
今日からあの立派な子供と仲好しになるのかと思うと、何となく嬉しい気持がして、日頃遊び仲間の髢屋の幸吉や船頭の鉄公などに見付からぬように急いで家へ帰り、盲縞の学校着を対の黄八丈の不断着に着更えるや否や、
「お母さん、遊びに行って来るよ」