と、私は早速光子の後に廻って鬱金縮緬の扱帯を解き、結いたての唐人髷がこわれぬように襟足の長い頸すじへ手を挿し入れ、しっとりと油にしめって居る髱の下から耳を掠めて頤のあたりをぐる/\と二た廻り程巻きつけた上、力の限り引き絞ったから縮緬はぐい/\と下脹れのした頬の肉へ喰い入り、光子は金閣寺の雪姫のように身を悶えて苦しんで居る。
「さあ今度はあべこべに貴様を糞攻めにしてやるぞ」
信一が餅菓子を手当り次第に口へ啣んでは、ぺっ/\と光子の顔へ吐き散らすと、見る/\うちにさしも美しい雪姫の器量も癩病やみか瘡っかきのように、二た目と見られない姿になって行く面白さ。