私は雪駄がちゃらつかぬように足音を忍ばせ、自分で自分の忙しい呼吸や高まった鼓動の響きを聞きながら、闇中に光って居る西洋館の硝子戸を見つめて歩いて行った。
次第々々に眼が見えるようになった。
八つ手の葉や、欅の枝や、春日燈籠や、いろ/\と少年の心を怯えさすような姿勢を取った黒い物が、小さい瞳の中へ暴れ込んで来るので、私は御影の石段に腰を下し、しん/\と夜気のしみ入る中に首をうなだれた儘、息を殺して待って居たが、いっかな二人はやって来ない。
私は雪駄がちゃらつかぬように足音を忍ばせ、自分で自分の忙しい呼吸や高まった鼓動の響きを聞きながら、闇中に光って居る西洋館の硝子戸を見つめて歩いて行った。
次第々々に眼が見えるようになった。
八つ手の葉や、欅の枝や、春日燈籠や、いろ/\と少年の心を怯えさすような姿勢を取った黒い物が、小さい瞳の中へ暴れ込んで来るので、私は御影の石段に腰を下し、しん/\と夜気のしみ入る中に首をうなだれた儘、息を殺して待って居たが、いっかな二人はやって来ない。