始めは気が付かなかったが、部屋の左手の隅に次の間へ通ずる出口があって、重い緞子の帷が深い皺を畳み、ナイヤガラの瀑布を想わせるようにどさりと垂れ下って居る。
其れを排して、隣室の模様を覗いて見ようとしたが、帷の向うが真っ暗なので手が竦むようになる。
其の時不意に煖炉棚の上の置時計がジーと蝉のように呟いたかと思うと、忽ち鏗然と鳴ってキンコンケンと奇妙な音楽を奏で始めた。
始めは気が付かなかったが、部屋の左手の隅に次の間へ通ずる出口があって、重い緞子の帷が深い皺を畳み、ナイヤガラの瀑布を想わせるようにどさりと垂れ下って居る。
其れを排して、隣室の模様を覗いて見ようとしたが、帷の向うが真っ暗なので手が竦むようになる。
其の時不意に煖炉棚の上の置時計がジーと蝉のように呟いたかと思うと、忽ち鏗然と鳴ってキンコンケンと奇妙な音楽を奏で始めた。