暖かく柔かな光子の掌は、とても振り放す事の出来ない魔力を持って居るように軽く私の腕を捕えて、薄気味の悪い部屋の方へずる/\と引っ張って行き、忽ち二人の体は重い緞子の帷の中へめり込んだかと思う間もなく、真っ暗な部屋の中に這入って了った。
「栄ちゃん、仙吉に会わせて上げようか」
「あゝ、何処に居るのだい」
暖かく柔かな光子の掌は、とても振り放す事の出来ない魔力を持って居るように軽く私の腕を捕えて、薄気味の悪い部屋の方へずる/\と引っ張って行き、忽ち二人の体は重い緞子の帷の中へめり込んだかと思う間もなく、真っ暗な部屋の中に這入って了った。
「栄ちゃん、仙吉に会わせて上げようか」
「あゝ、何処に居るのだい」