と、眼を塞がれた儘大口を開いて怒鳴り立て、「由良さん」のように両手を擴げて歩み出します。
此の男は幇間の三平と云って、もとは兜町の相場師ですが、其の時分から今の商売がやって見たくて耐らず、とう/\四五年前に柳橋の太鼓持ちの弟子入りをして、一と風変ったコツのある気象から、めき/\贔屓を拵え、今では仲間のうちでも相応な好い株になって居ます。
「桜井(と云うのは此の男の姓です。
と、眼を塞がれた儘大口を開いて怒鳴り立て、「由良さん」のように両手を擴げて歩み出します。
此の男は幇間の三平と云って、もとは兜町の相場師ですが、其の時分から今の商売がやって見たくて耐らず、とう/\四五年前に柳橋の太鼓持ちの弟子入りをして、一と風変ったコツのある気象から、めき/\贔屓を拵え、今では仲間のうちでも相応な好い株になって居ます。
「桜井(と云うのは此の男の姓です。