どうかすると酒癖の悪い女に、馬鹿野郎呼ばわりをされて、頭を擲られて居ることもあります。
女の居る当座は、茶屋の附合いも大概断って了い、毎晩のように友達や店員を二階座敷に集めて、女房の三味線で飲めや唄えの大騒ぎをやります。
一度彼は自分の女を友達に寝取られたことがありましたが、其れでも別れるのが惜しくって、いろ/\と女の機嫌気褄を取り、色男に反物を買ってやったり、二人を伴れて芝居に出かけたり、或る時は其の女と其の男を上座へ据えて、例の如く自分がお太鼓を叩き、すっかり二人の道具に使われて喜んで居ます。