切符売場の前で梶棒を据えられた時、私は俥から下りようとして、着物の裾が汗ばんだ両脛へ粘り着いた為めに、危く脚を縛られて倒れそうになった。
電車ならば大丈夫………こう信じて、無理やりに安心しようと努めて居た私の神経は、もう此の暑熱の威嚇にさえ堪えられなくなって居たのであった。
天満橋までの切符を買ったものゝ、兎に角七八分休息した上、神経の鎮静するのを待とうと思って、力なくベンチへ腰を掛けたまゝ、私はぼんやりと、乞食のように大道を眺めて居た。
切符売場の前で梶棒を据えられた時、私は俥から下りようとして、着物の裾が汗ばんだ両脛へ粘り着いた為めに、危く脚を縛られて倒れそうになった。
電車ならば大丈夫………こう信じて、無理やりに安心しようと努めて居た私の神経は、もう此の暑熱の威嚇にさえ堪えられなくなって居たのであった。
天満橋までの切符を買ったものゝ、兎に角七八分休息した上、神経の鎮静するのを待とうと思って、力なくベンチへ腰を掛けたまゝ、私はぼんやりと、乞食のように大道を眺めて居た。