貞之助は、去年この姉妹に悦子を連れて錦帯橋へ花見に行った時、三人を橋の上に列べて写真を撮ったことがあって、その時詠んだ彼の歌に、―――美しき姉妹三人居ならびて写真とらすなり錦帯橋の上、と云うのがあったが、全く、この姉妹はただ徒に似ていると云うのとは違って、それぞれ異なった特長を持ち、互に良い対照をなしながら、一方では紛う方なき共通点のあるところが、見る人の目にいかにもよい姉妹だと云う感を与えた。
先ず身の丈からして、一番背の高いのが幸子、それから雪子、妙子と、順序よく少しずつ低くなっているのが、並んで路を歩く時など、それだけで一つの見物なのであるが、衣裳、持ち物、人柄、から云うと、一番日本趣味なのが雪子、一番西洋趣味なのが妙子で、幸子はちょうどその中間を占めていた。
顔立なども一番円顔で目鼻立がはっきりしてい、体もそれに釣り合って堅太りの、かっちりした肉づきをしているのが妙子で、雪子はまたその反対に一番細面の、なよなよとした痩形であったが、その両方の長所を取って一つにしたようなのが幸子であった。