日曜の午後のことなので、神戸行の電車の中はガランとしていたが、姉妹の順に三人が並んで席に就いた時、雪子は自分の真向うに腰かけている中学生が、含羞みながら俯向いた途端に、見る見る顔を真っ赧にして燃えるように上気して行くのに心づいた。
悦子はままごとにも飽きてしまうと、お花に云いつけて二階の部屋から帳面を持って来させて、洋間で宿題の綴方を書いていた。
いったいこの家は大部分が日本間で、洋間と云うのは、食堂と応接間と二た間つづきになった部屋があるだけであったが、家族は自分達が団欒をするのにも、来客に接するのにも洋間を使い、一日の大部分をそこで過すようにしていた。