そして、彼女は何よりも、雪子自身がそれをどう感じているか、自分の顔のことであるから誰よりも先にその現象を発見しているに違いないとして、それが何か知ら心理的影響を与えていなければよいが、と云うことを恐れた。
一体雪子は、今迄は婚期に後れているからと云って、そう悲観しても僻んでもいなかったのは事実で、それと云うのも、内々自分の容貌に自信を持っていたかららしいのであるが、そこにそう云う思わぬ欠点が生じたと知ったら、どんな気持がするであろうか。
幸子はひそかにそう云う懸念を抱きながら、うっかり当人に聞いてみることも出来ないので、折々それとなく雪子の顔色を探りつつ日を送っていたが、表面雪子の素振には何の変化も現れず、殆どそのことに気が付かないのか、問題にしていないかの如くに見えた。