そんなことを思い合せると、姉妹共にいくらかそう云うシミの出る体質なのかも知れないが、幸子は自分の過去にその経験があり、而も雪子の眼瞼のそれよりは自分の口の端に出たものの方がずっと濃かったのに、それさえ間もなく直った実例があるものだから、もともとそうも心配していなかったところへ、その雑誌の記事を読んだのですっかり安心した訳であった。
が、妙子がこの古雑誌を引っ張り出して来た目的は、何とかしてこの記事を雪姉ちゃんに読ませたい、雪姉ちゃんは見たところ変った様子もないようだけれども、お腹の中では独りでくよくよ案じているかも知れないから、ここにこの通り書いてある、何も心配するには及ばないのだと云うことを、知らしてやりたい、そして、結婚すれば直るにしても、出来ればその前に直してしまった方がよいから、進んで治療を受けるように、―――そう云っても雪姉ちゃんのことだから中々気軽には動くまいが、―――折を見て説き付けたい、と云うのであった。
幸子は雪子のシミのことを、今まで誰とも話し合ったことはなかったので、妙子と話したのもその時が始めてであった。