幸子は雪子のシミのことを、今まで誰とも話し合ったことはなかったので、妙子と話したのもその時が始めてであった。
彼女は妙子がそのことについて、矢張自分と同じようにひそかに胸を痛めていたことを知ったのであるが、妙子の場合は、雪子のためを思う親身の情愛の外に、雪子が早く縁づいてくれなければ自分と奥畑との結婚が延びると云う打算も手伝っていることが、幸子には察しが付いた。
そしてそんならその雑誌を誰が雪子に見せるべきかと云うことを二人で相談した結果、これは妙子の方がよい、幸子だと却って大層らしくもなり、当然貞之助までがその議に与っているように邪推される恐れもあるから、妙子が何気ない風をして軽く切り出したら、と云うことになった。