階上が多分親子三人の寝室になっているのらしく、階下はこの二た間の外には裏にコック場があるだけのように想像されるので、此処から見える次の間が食堂に使われるらしいのであるが、其方の部屋も此方の部屋と同じくらいな広さしかない。
貞之助達は、彼処へどう云う風にして六人が列ぶのかと心配になったが、それにしてもおかしいのは、カタリナだけしかいない様子で、兄のキリレンコも問題の「お婆ちゃん」も一向現れるけはいがなかった。
西洋人の晩飯の時刻は日本人より遅いものであるのに、時間をはっきり聞いておかなかったので、早く来過ぎたのかも知れないけれども、もう窓の外は真っ暗になって来ているのに、家の中はひっそりとして、食堂の方にも何のしつらえもしてないのであった。