以上
台紙の裏に本人自筆のペン字でこう云う事項を記載した手札型の写真が、幸子の女学校時代の同窓である陣場夫人から郵送されて来たのは三月の下旬頃のことであった。
幸子はそれを受け取る迄はつい忘れていたのであったが、そう云えば去年、ちょうど瀬越との間の話が停頓していた十一月の末の或る日、大阪の桜橋交叉点のところで、陣場夫人に行き遇って二三十分立ち話をした時に、雪子の噂が出、ふうん、そんならあの妹さん、まだ結婚しやはれへんの、と云うようなことから、ええとこがあったら世話してほしいねんわ、とそう云って別れたことがあったのを思い出した。