その、二度目の電話のあった明くる日の午後に幸子は出かけたが、行ってみると、中前栽の向うに見える蔵の戸前が開いているので、
「姉ちゃん」
と、観音開きの所から声をかけながら這入って行くと、姉は二階で、ただでさえ入梅のじめじめする日に、黴臭い匂の中にうずくまりながら、姐さん被りをして一生懸命片附け物に熱中していた。
その、二度目の電話のあった明くる日の午後に幸子は出かけたが、行ってみると、中前栽の向うに見える蔵の戸前が開いているので、
「姉ちゃん」
と、観音開きの所から声をかけながら這入って行くと、姉は二階で、ただでさえ入梅のじめじめする日に、黴臭い匂の中にうずくまりながら、姐さん被りをして一生懸命片附け物に熱中していた。