こう云う風に、人の云うことも聞えないくらい熱心に、寸分の隙もなく立ち働く姉を見れば、知らない者は誰でも感心して、何と云うシッカリした、甲斐々々しい主婦であろうと思うのであるが、ほんとうは、姉はそのようなシッカリ者ではないのであった。
いつでも何か事件が起ると、最初に先ず茫然としてしまって、放心したような状態になるが、暫くして、その期間が過ぎると、今度はまるで神憑りになったように働き出す。
だから、そんなところを端から見ると、いかにも骨身を惜しまない活動的な世話女房のように思えるけれども、実はもう興奮しきっていて、何が何やら分らなくなり、ただ夢中で動いているだけなのであった。