今度帰って来る時も、もう雪子ちゃんは勿論として、多分こいさんも結婚してしまわれただろう、そしていい奥さんやお母さんになっておられるだろうと思っていたんですが、蒔岡君からまだお二人ともお嬢さんでおられると聞いた時は、何だかこう、自分が五六年も日本を離れていたと云うことが譃のような、長い夢を見ていたような、………こんなことを云っちゃ悪いかも知れませんが、不思議な気がしましてね。
ところが今夜お目に懸って見ると、雪子ちゃんにしてもこいさんにしても、ちっとも歳を取っておられないのには二度びっくりして、自分の眼を疑ったくらいなんですよ」
「うふ、ふ、ふ」