で、まあ、格別人に迷惑や不愉快を与えるような癖ではないし、それがためにどうこうと云う程のものではないかも知れないが、何もそう云う人を選りに選って夫に持たないでもよいには違いないし、それより何より、写真の顔が四十六歳と云う年よりも非常に老けていて、爺むさく、五十歳以上の老人に見えると云うこと、これが幸子の考では最大の難点で、雪子の気に入らないことはほぼ確実と云ってよく、第一回の見合いに於いて落第する運命にあるのは先ず明かであった。
そう云う訳で今度はあまり張合いのない縁談だけれども、それが雪子を呼び寄せる表面の口実であってみれば、兎も角も「見合い」をさせるだけはさせなければ、―――と、云ったようなところが幸子たち夫婦の正直な気持であった。
そして、どうせ纏まりそうもないものなら、厭なことは知らせる迄もないので、奇癖の件は雪子に云わないで置くことに相談をきめていた。