妙子には、大阪駅まで雪子を迎えに行ってやれと云う幸子の言葉の意味が、よく分っている筈であった。
去年、富永の叔母が雪子を連れ戻しに来た時の話では、二三箇月後には妙子も東京へ呼び寄せると云うことであったのに、上京以来本家が引き続きごたごたして、なかなかそれどころではないので、ついあれなりになっており、お蔭で妙子は前より一層自由気儘な境遇に置かれているのであったが、それだけに、雪子に貧乏鬮を抽かせて自分ひとり巧いことをしているような、済まない気がしていたので、義理にも出迎えぐらいしなければならぬ訳であった。
「お父さんにもかけとこか」