そして、着いたら直ぐに風呂へ這入れるようにしておけとか、夕飯は汽車の食堂で済まして来るだろうかとか、きっと寝しなにもう一度何か食べるだろうとか、細かいことに気を遣って、彼女の好物の白葡萄酒を二三本も出して来させて、手ずから罎の埃を払い、年数を調べなどした。
悦子は、明日ゆっくり会えるのだからと、皆がすすめて、どうしても待っていると云って聴かないのを、漸く九時半頃にお春に云いつけて二階へ連れて行かせたが、間もなく表門のベルが鳴って、犬が其方へ走って行く足音を聞くと、
「あ、姉ちゃんや」
そして、着いたら直ぐに風呂へ這入れるようにしておけとか、夕飯は汽車の食堂で済まして来るだろうかとか、きっと寝しなにもう一度何か食べるだろうとか、細かいことに気を遣って、彼女の好物の白葡萄酒を二三本も出して来させて、手ずから罎の埃を払い、年数を調べなどした。
悦子は、明日ゆっくり会えるのだからと、皆がすすめて、どうしても待っていると云って聴かないのを、漸く九時半頃にお春に云いつけて二階へ連れて行かせたが、間もなく表門のベルが鳴って、犬が其方へ走って行く足音を聞くと、
「あ、姉ちゃんや」