で、直ぐ専門医を呼んで貰ったが、矢張櫛田医師の診察の通りで、明くる朝流産を見たのであった。
貞之助は、夜中に幸子が苦しみ出してから自分の寝床を上げさせてしまい、ずっと枕もとに着き切っていたが、翌日も、流産の後始末の時にちょっと席を外しただけで、妻の苦痛がうすらいでからも、とうとう事務所を休んでしまって病室に詰めていた。
そして、胴丸の火鉢に両肘をつき、火箸の頭に両方の掌を重ねたままの姿勢で、俯向き加減に坐ったきり、一日何をするのでもなくじっとしていたが、時々、一杯涙を溜めた妻の眼が自分の方を見上げているのを感じると、ちらりと見返して、