あの歳になっても十七八の娘と一緒やねん」
幸子はちょうど話の出たついでに、妙子が何か聞いていることもあろうかと、雪子ちゃんあの人のことどない思うてるのんか、何ぞ云うてえへなんだやろか、と云うと、そんで、うち、あんたどない思うてるねん云うて聞いてやったら、縁談のことは姉ちゃんと中姉ちゃんに任してあるさかい、行け云われたら何処へなと行くつもりやねんけど、あの人のとこだけはよう行かんさかい、えらい我が儘云うみたいやけど、どうぞこれだけは断ってくれるように、こいさんから中姉ちゃんに云うてほしい云うて、頼まれててんわ、―――と、そう妙子は云うのであった。
妙子も野村と云う人を始めて見て、話に聞いたよりもまだ老けているのにびっくりし、なるほどこのお爺さんでは雪姉ちゃんが厭だと云うのも当り前だと感じたくらいで、雪姉ちゃんの嫌う理由はそこにあるのに違いないと思うけれども、雪姉ちゃんは風采や顔つきのことなどは別に何とも云っていないで、それよりは、見合いの晩に青谷の家へ引っ張って行かれた時、仏壇に亡くなった奥さんや子供達の写真が飾ってあるのを見て、ひどく不愉快にさせられたと云う話をした。