十一月二十日、激しい頭痛、痙攣、及び意識障害の発作があり、梶浦教授に脳血管の痙攣と診断され、その指示に従い経過は順調であったが、同三十日、患者の嫌いな娘と論争したことがあり、その時左前胸部に軽い苦悶感を十数分間感じ、以来同様の発作が頻発するようになった。
当時の心電図には一年前に比べ著変が見られない。
十二月二日夜、排便時に力んだところ、心臓部に五十分以上に亙って激しい締めつけるような疼痛がおこり、最寄りの医師の往診を受けたが翌日の心電図検査に依り、胸部誘導に前壁中隔梗塞を疑わせる所見が見られた。