昼間は分らなかったけれども、鼻の下や唇の周りに髯が微かに生えかかっているのが(彼は毛深いたちなのである)見えて、それがまた薄気味が悪かった。
私はそんなに近い所で男性の顔を見るのは始めてだったので、そのせいもあったかも知れないが、以来私は、今日でも夫の顔を明るい所で長い間視つめていると、あのゾウッとする気持になるのである。
だから私は彼の顔を見ないようにしようと思い、枕もとの電燈を消そうとするのだが、夫は反対に、あの時に限って部屋を明るくしようとする。
昼間は分らなかったけれども、鼻の下や唇の周りに髯が微かに生えかかっているのが(彼は毛深いたちなのである)見えて、それがまた薄気味が悪かった。
私はそんなに近い所で男性の顔を見るのは始めてだったので、そのせいもあったかも知れないが、以来私は、今日でも夫の顔を明るい所で長い間視つめていると、あのゾウッとする気持になるのである。
だから私は彼の顔を見ないようにしようと思い、枕もとの電燈を消そうとするのだが、夫は反対に、あの時に限って部屋を明るくしようとする。