夫が真に私を愛しているのならば、やはり何とかして私を喜ばしてくれなければいけない。
ただくれぐれも知っておいて貰いたいのは、あの不必要な悪ふざけだけは我慢がならないということ、私にとってあんな遊びは何の足しにもならないばかりか、かえって気分を損うばかりだということ、私は本来は、どこまでも昔風に、暗い奥深い閨の中に垂れ籠めて、分厚い褥に身を埋めて、夫の顔も自分の顔も分らないようにして、ひっそりと事を行いたいのだということ、である。
夫婦の趣味がこの点でひどく食い違っているのはこの上もない不幸であるが、お互いに何か妥協点を見出す工夫はないものだろうか。