私はぜひとも夫というミディアムを中に入れないところの、これこそ正しく生身の木村さんに違いないという人を、半意識状態でない時に、青白い蛍光燈の下ではなく、真っ昼間のあかりの下でしみじみと眺めてみたかったのである。
………嬉しくもまたはなはだ奇異なことなのであるが、現実に確かめ得た木村さんその人は、今年の正月以来幾度となく幻覚で出遇ったことのある、あの姿が正しくそれであることが分った。
いつぞや私は夢の中で「木村さんの若々しい腕の肉を掴み、その弾力のある胸板に壓しつけられた」と書き、「何よりも木村さんの皮膚は非常に色白で、日本人の皮膚ではないような気がした」と書いたが、今度始めて現実に見た木村さんは、やはりその通りの人であった。