血壓が高いといっても、神経に病んで頻繁に測るのはよろしくない、気にすれば血壓はいくらでも上る、二百や二百四五十あっても不養生をして平気で生きている人が何人もいる、むやみに気にしない方がよい、酒や煙草も少しぐらいは差支えない、あなたの高血壓は決して悪性のものではないから、大丈夫良くなりますと云ったとやらで、夫はすっかりあの男が気に入ってしまい、これから当分毎日来てくれ、もう医者は止める、と云っていたという。
六時半に夫は散歩から帰って来、七時に二人で食事をした。
若筍の吸い物、蚕豆の塩うで、きぬさやと高野豆腐の焚き合せ、―――昨日錦で買って来た材料を婆やが料理したのである。