「私は昔から日記なんか附けていません、そんなこと、あなた知ってはるやありませんか」と、私はわざと意地悪く空とぼけてやる。
すると口辺に力のない薄笑いを浮かべて、「あゝ、そうだったか、分ったよ」という風に頷いている。
病人が微かながらも笑顔を見せたのは始めてであるが、ちょっと意味の分らない、謎のような笑いである。
「私は昔から日記なんか附けていません、そんなこと、あなた知ってはるやありませんか」と、私はわざと意地悪く空とぼけてやる。
すると口辺に力のない薄笑いを浮かべて、「あゝ、そうだったか、分ったよ」という風に頷いている。
病人が微かながらも笑顔を見せたのは始めてであるが、ちょっと意味の分らない、謎のような笑いである。