時折ぱらぱらとページをめくってみる程度で、わずかに「夫のものを盗み読んでいる」ということだけに、或る満足を覚えていたに過ぎなかったのであるが、彼がそのことを記すことを「恐レヌヿニシタ」今年の正月一日の記から、私は当然の結果として彼の記述に惹き付けられた。
私は早くも正月二日の午後、彼が散歩に出かけた留守中に、彼の日記の書き方が今年から変化していることを発見した。
ただし私が盗み読みをしていることを夫に秘していたのは、生来「知ッテイルヿデモ知ラナイ風ヲ装」うのが好きであるためばかりではない。
時折ぱらぱらとページをめくってみる程度で、わずかに「夫のものを盗み読んでいる」ということだけに、或る満足を覚えていたに過ぎなかったのであるが、彼がそのことを記すことを「恐レヌヿニシタ」今年の正月一日の記から、私は当然の結果として彼の記述に惹き付けられた。
私は早くも正月二日の午後、彼が散歩に出かけた留守中に、彼の日記の書き方が今年から変化していることを発見した。
ただし私が盗み読みをしていることを夫に秘していたのは、生来「知ッテイルヿデモ知ラナイ風ヲ装」うのが好きであるためばかりではない。