キワドケレバキワドイホドヨイ」、―――「多少疑イヲ抱カセルクライデアッテモヨイ。
ソノクライマデ行クヿヲ望ム」という語が出て来るのを読んでから、私は急角度をもって木村のことを考えるようになった。
「少クトモ妻ハ、………自分デハ若イ二人ヲ監督シテイルツモリカモ知レナイガ、実際ハ木村ヲ愛シテイルヨウニ思エテナラナイ」と、七日に夫がそんな風に書いているあたりでは、私はむしろ「イヤらしい」というように感じ、いくら夫に嗾けられてもそういう道に外れたことができるものかと、反撥を感じていたのであったが、「キワドケレバキワドイホドヨイ」と云われるに及んで、私の心に急回転が起った。