平中と云うのは、三人兄弟の中の二番目の子息であるからとも云い、字を仲と云ったからとも云う説があって、平仲と書いてある例も多い。
(弄花抄に依ればヘイチュウのチュウは濁りて読むべしとある)蓋し平中とは、なお在原業平のことを在五中将と呼んだ如きであろうか。
そう云えば業平と平中とは、共に皇族の出である点、平安朝初期の生れである点、美男子で好色家であった点、歌が上手で、前者が三十六歌仙の一人、後者が後六々選の一人である点、前者に伊勢物語があるように、後者にも平中物語とか平中日記とか云うものがある点等でよく似ている。