たま/\人が訪ねて来ても、「お上の御勘当が重いので」と云って面接せず、御簾の外にも出なかったので、漸く此の事が評判になり、世人が奢りを慎しむようになったが、これは豫め時平が帝としめし合わせてしたことなのであった。
平中が此の時平のところへしば/\伺候したのは、権門に媚びて出世の緒を掴もうと云う世間並な下心もないことはなかったであろうが、一つには此の大臣と兵衛佐とは話の馬が合うせいでもあった。
二人は官職や位階から云えば大きい隔たりがあるけれども、系図や家柄を論ずれば平中も遜色はないのだし、趣味や教養も同等であるし、どちらも女好きな貴族の美男子なのである。