なおついでながら、大納言国経と平中との間には、此の北の方の関係を外にして直接深い交渉はなかったようであるが、或る年の秋、何かちょっとしたことで国経から平中の許へ使者が手紙を持って来た時に、平中が庭に咲いていた菊の一枝を取って返書に添えて渡したことが、平中日記に見えている。
その時菊の花を貰った国経は、直ぐに次のような歌を詠んで贈った。
みよを経てふりたる翁杖つきて
なおついでながら、大納言国経と平中との間には、此の北の方の関係を外にして直接深い交渉はなかったようであるが、或る年の秋、何かちょっとしたことで国経から平中の許へ使者が手紙を持って来た時に、平中が庭に咲いていた菊の一枝を取って返書に添えて渡したことが、平中日記に見えている。
その時菊の花を貰った国経は、直ぐに次のような歌を詠んで贈った。
みよを経てふりたる翁杖つきて