そして、御壮健で結構であるが、此の頃の寒さはおこたえになりはしないか、とか、お風邪を召されぬように、とか、取って附けたような愛想を云う。
或る日、分けても寒さの厳しい朝のことであったが、伯父の大納言の鼻先から水洟が滴れているのを見ると、彼はそっと寄って行って、
「お洟が出ておりますぞ」
そして、御壮健で結構であるが、此の頃の寒さはおこたえになりはしないか、とか、お風邪を召されぬように、とか、取って附けたような愛想を云う。
或る日、分けても寒さの厳しい朝のことであったが、伯父の大納言の鼻先から水洟が滴れているのを見ると、彼はそっと寄って行って、
「お洟が出ておりますぞ」