で、両手の間にその宝物をしっかりと挟んで視つめていると、いっそ自分のようなものは一日も早く消えてなくなって、此の人を自由にさせてやりたいと云う怪しい気持にもなるのであった。
「どうなさいましたの」
老人の眼に浮かんだ涙が、自分の睫毛に伝わって来たのを感じると、北の方ははっとして眼を開けたが、
で、両手の間にその宝物をしっかりと挟んで視つめていると、いっそ自分のようなものは一日も早く消えてなくなって、此の人を自由にさせてやりたいと云う怪しい気持にもなるのであった。
「どうなさいましたの」
老人の眼に浮かんだ涙が、自分の睫毛に伝わって来たのを感じると、北の方ははっとして眼を開けたが、