「やっぱりあゝ云うお方は何処か違っていらっしゃいますのね」
お側の女房たちがそっと袖を引き合って溜息を洩らしたのは、北の方の同感を求めるためであったらしいが、北の方は眼顔でそれをたしなめて、ただ吸い寄せられるように御簾の方へ体を擦りつけていた。
北の方が先ず驚いたのは、主人の国経が常になく酔態をさらけ出し、だらしない恰好で何か呂律の廻らない濁声を挙げていることであったが、左大臣もそれに劣らず酔っているらしい。
「やっぱりあゝ云うお方は何処か違っていらっしゃいますのね」
お側の女房たちがそっと袖を引き合って溜息を洩らしたのは、北の方の同感を求めるためであったらしいが、北の方は眼顔でそれをたしなめて、ただ吸い寄せられるように御簾の方へ体を擦りつけていた。
北の方が先ず驚いたのは、主人の国経が常になく酔態をさらけ出し、だらしない恰好で何か呂律の廻らない濁声を挙げていることであったが、左大臣もそれに劣らず酔っているらしい。