そして訴えるような眼ざしを、臆するところなく真っ直ぐ御簾の裡へ注いだ。
北の方は、自分が左大臣を隙見していることを、左大臣が知っているかどうか半ば疑問にしていたのであったが、今は疑う餘地もないと思うと、自分の顔が俄かに赧くなるのを感じた。
現に左大臣の装束に薫きしめてある香の匂が、此の御簾のうちへかぐわしく匂って来るのを見れば、彼女の衣の薫物の香も左大臣の席へ匂っているに違いない。
そして訴えるような眼ざしを、臆するところなく真っ直ぐ御簾の裡へ注いだ。
北の方は、自分が左大臣を隙見していることを、左大臣が知っているかどうか半ば疑問にしていたのであったが、今は疑う餘地もないと思うと、自分の顔が俄かに赧くなるのを感じた。
現に左大臣の装束に薫きしめてある香の匂が、此の御簾のうちへかぐわしく匂って来るのを見れば、彼女の衣の薫物の香も左大臣の席へ匂っているに違いない。