が、さしもの平中もこう云う座敷では、堂々たる時平の貫禄に押されて、別人のように貧弱に見え、蘭燈なまめかしき帳の奥で逢う時のような魅力がない。
それに今宵は誰も彼もが羽目を外して燥いでいるのに、どう云うわけか平中はひとり沈んで、自分だけは酒が甘くないと云いたげな様子をしているのであった。
と、時平がそれに眼をつけて、
が、さしもの平中もこう云う座敷では、堂々たる時平の貫禄に押されて、別人のように貧弱に見え、蘭燈なまめかしき帳の奥で逢う時のような魅力がない。
それに今宵は誰も彼もが羽目を外して燥いでいるのに、どう云うわけか平中はひとり沈んで、自分だけは酒が甘くないと云いたげな様子をしているのであった。
と、時平がそれに眼をつけて、