此の人たちの好奇心に充ちた視線が、期せずして屏風に囲まれた御簾の方に注がれていた時、屏風の向う側ではどんなことが起りつゝあったか。
―――時平は国経が袂の端を彼に渡して彼方へ逃げて行ったのを知ると、無言でその袂を自分の方へしずかに引いた。
そして、今しがた国経がしていた通りに、御簾の隙間へ半身を入れて、うしろから此の大輪の花の如きものを抱きかゝえた。
此の人たちの好奇心に充ちた視線が、期せずして屏風に囲まれた御簾の方に注がれていた時、屏風の向う側ではどんなことが起りつゝあったか。
―――時平は国経が袂の端を彼に渡して彼方へ逃げて行ったのを知ると、無言でその袂を自分の方へしずかに引いた。
そして、今しがた国経がしていた通りに、御簾の隙間へ半身を入れて、うしろから此の大輪の花の如きものを抱きかゝえた。