谷崎潤一郎 『少将滋幹の母』 国経は簾をおろす時に、 「私をお忘れにならないで」 と、一と言云ったが、生憎なことに車の中は真っ暗で、もうその人の顔は見えず、せめて別れの言葉ぐらい聞かしてくれるかと思っているうちに、あとから乗り込んだ時平の姿で、眼の前が一杯に塞がれてしまった。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア