と、走り書きをして、小さく畳んで、不意に何処からか左大臣の車の側に現れ、下襲の尻を簾の中へ押し込むのと一緒に、人知れずそれを北の方の袖の下へ挿し入れたのであった。
その五
国経は、北の方を乗せた時平の車が供の人数を従えて去って行くのを見送ったまでは、幾分か意識がはっきりしていたけれども、車の影が見えなくなると、俄かに緊張が弛んだせいか、内攻していた酔いが発して、勾欄のもとにくた/\とくずおれてしまった。
と、走り書きをして、小さく畳んで、不意に何処からか左大臣の車の側に現れ、下襲の尻を簾の中へ押し込むのと一緒に、人知れずそれを北の方の袖の下へ挿し入れたのであった。
その五
国経は、北の方を乗せた時平の車が供の人数を従えて去って行くのを見送ったまでは、幾分か意識がはっきりしていたけれども、車の影が見えなくなると、俄かに緊張が弛んだせいか、内攻していた酔いが発して、勾欄のもとにくた/\とくずおれてしまった。