………自分は前から、あゝ云う世にも稀な人を自分が妻にしていることを、無上の幸福としていたのであるが、正直を云うと、世間がその事実に無関心でいることが物足りなくもあったのだ。
自分は誰かに、時々自分の此の幸福を見せびらかして、羨ましがらせてやりたかったのだ。
だから左大臣が羨望に堪えぬ顔つきをして簾の奥へ流眄を送ったのを見ては、大いに満足したわけであった。
………自分は前から、あゝ云う世にも稀な人を自分が妻にしていることを、無上の幸福としていたのであるが、正直を云うと、世間がその事実に無関心でいることが物足りなくもあったのだ。
自分は誰かに、時々自分の此の幸福を見せびらかして、羨ましがらせてやりたかったのだ。
だから左大臣が羨望に堪えぬ顔つきをして簾の奥へ流眄を送ったのを見ては、大いに満足したわけであった。