だから左大臣が羨望に堪えぬ顔つきをして簾の奥へ流眄を送ったのを見ては、大いに満足したわけであった。
自分は斯様に老耄し、官位は漸く正三位大納言を以て終る運命にあるけれども、而も自分は、此の年の若い美男子の左大臣にさえ缺けているものを持っている、いや、恐らくは、九重の奥にまします帝でさえも、此れほどの人を後宮に持ってはおられないであろう。
自分はそう思うことで云うに云われぬ誇りを感じ、それで嬉しかったのであった。
だから左大臣が羨望に堪えぬ顔つきをして簾の奥へ流眄を送ったのを見ては、大いに満足したわけであった。
自分は斯様に老耄し、官位は漸く正三位大納言を以て終る運命にあるけれども、而も自分は、此の年の若い美男子の左大臣にさえ缺けているものを持っている、いや、恐らくは、九重の奥にまします帝でさえも、此れほどの人を後宮に持ってはおられないであろう。
自分はそう思うことで云うに云われぬ誇りを感じ、それで嬉しかったのであった。