自分は斯様に老耄し、官位は漸く正三位大納言を以て終る運命にあるけれども、而も自分は、此の年の若い美男子の左大臣にさえ缺けているものを持っている、いや、恐らくは、九重の奥にまします帝でさえも、此れほどの人を後宮に持ってはおられないであろう。
自分はそう思うことで云うに云われぬ誇りを感じ、それで嬉しかったのであった。
………が、それだけならば誰に話しても分って貰えることだけれども、実は自分の胸の中には、又もう一つの感情があった。
自分は斯様に老耄し、官位は漸く正三位大納言を以て終る運命にあるけれども、而も自分は、此の年の若い美男子の左大臣にさえ缺けているものを持っている、いや、恐らくは、九重の奥にまします帝でさえも、此れほどの人を後宮に持ってはおられないであろう。
自分はそう思うことで云うに云われぬ誇りを感じ、それで嬉しかったのであった。
………が、それだけならば誰に話しても分って貰えることだけれども、実は自分の胸の中には、又もう一つの感情があった。