「じっとしていて下さいよ」
と云いながら、滋幹の右の袂を肩の方までまくり上げて、二の腕から手頸の方へかけて、考え/\歌の文句を二行に書いた。
書いてしまっても、墨の乾くのを待つ間手を握ったまゝ放さずにいるので、まだ何かされるのではないかと云う気がしたが、墨が乾くと、まくり上げた袂をていねいにおろして、
「じっとしていて下さいよ」
と云いながら、滋幹の右の袂を肩の方までまくり上げて、二の腕から手頸の方へかけて、考え/\歌の文句を二行に書いた。
書いてしまっても、墨の乾くのを待つ間手を握ったまゝ放さずにいるので、まだ何かされるのではないかと云う気がしたが、墨が乾くと、まくり上げた袂をていねいにおろして、