と云いながら、大人しく聴いているのであった。
全く、老年に及んでいとしい人に背かれた父が、前から好きであった酒を一層嗜むようになり、それを唯一の伴侶とするに至ったのは是非もないことだけれども、その酔い方がだん/\狂暴に、常軌を逸するようになって行ったので、乳人が案じるのも無理はなかった。
父は乳人に諫められると、その時は素直に詫びるのであるが、その日のうちに直ぐもう正体もなく酔いしれると云う有様で、詩を吟じたり、泣き喚いたりするくらいはまだしも、夜中にふら/\と何処かへ出て行って、二三日も帰って来ないことがしば/\だったので、