彼が何かしら異常に緊張し、それに精神を打ち込んでいるらしい様子は、後姿からでも判断が出来た。
そして、程なく滋幹は、父の足が止まったので、自分もピタリと歩みをとゞめた瞬間に、体じゅうが総毛立つものを眼前に見た。
月の光と云うものは雪が積ったと同じに、いろ/\のものを燐のような色で一様に塗り潰してしまうので、滋幹も最初の一刹那は、そこの地上に横わっている妙な形をしたものゝ正体が掴めなかったのであるが、瞳を凝らしているうちに、それが若い女の屍骸の腐りたゞれたものであることが頷けて来た。
彼が何かしら異常に緊張し、それに精神を打ち込んでいるらしい様子は、後姿からでも判断が出来た。
そして、程なく滋幹は、父の足が止まったので、自分もピタリと歩みをとゞめた瞬間に、体じゅうが総毛立つものを眼前に見た。
月の光と云うものは雪が積ったと同じに、いろ/\のものを燐のような色で一様に塗り潰してしまうので、滋幹も最初の一刹那は、そこの地上に横わっている妙な形をしたものゝ正体が掴めなかったのであるが、瞳を凝らしているうちに、それが若い女の屍骸の腐りたゞれたものであることが頷けて来た。