それについて滋幹の日記は云う、―――自分は十一二歳の頃、幾度か母に逢いたいと云う望みを洩らしたことがあったが、世間のことはそう簡単に行くものではありませぬ、お母さまはもう餘所のお家の人なのですと、そのつど乳人に戒められた。
お母さまはもうあなた様のお母さまではなくて、われ/\よりは身分の高いお方のお母さまなのですと、乳人はそうも云って聞かした。
―――と。
それについて滋幹の日記は云う、―――自分は十一二歳の頃、幾度か母に逢いたいと云う望みを洩らしたことがあったが、世間のことはそう簡単に行くものではありませぬ、お母さまはもう餘所のお家の人なのですと、そのつど乳人に戒められた。
お母さまはもうあなた様のお母さまではなくて、われ/\よりは身分の高いお方のお母さまなのですと、乳人はそうも云って聞かした。
―――と。